組 織 診 断

・・  このコーナーは組織診断テストを使ってリーダーシップ・スタイルや組織の状態を客観視しようとするものです。組織診断テストは「企業のある一面」だけを診断するものです。くれぐれも一つの診断でご自分や組織を評価されませんように!
 なお、活用された方で質問や確認がありましたら、掲示板へ投稿ください。
定期的に入れ替える予定ですが、記載したチェックリスト及び資料は教育資料にストックする予定にしています。なお、掲載する各診断テストはダウンロードして各自で使ってください。(著作権を侵害するものは掲載していません)

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 職場風土調査

PM理論からのチェック


職場風土調査 チェック・リスト PM機能の集計
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PMグラフの位置 職場風土の考察 PM理論と職場活性化

 

ここでの職場風土調査はPM理論の活用です.ダウンロードして使ってください。

[使い方]
(1)PM機能チェック・リストで、各質問項目に当てはまる点数を選ぶ。
(2)次に、P機能とM機能の合計得点(ポイント)を求める[集計(1)]
(3)求めたP機能とM機能のポイントを[PMグラフ]上で位置決めをする。
(4)後は、チェックからの「考察」と「PM理論」の理解から職場の現状理解と活性化の方策の参考にする。
[職場風土調査からのコメントについて]
 結果からアドバイスまたは考察(コメント)が欲しい方は当センターまでご連絡ください。コメント、アドバイスそして資料を添付してお返しします。必要に応じて幾つかの質問をさせていただくことがあります。なお、その際の料金は\5,000です。(連絡はメール電話、FAXどちらかでお願いします。)
[今回の参考資料:振り下げて学習したい方へ
(1)組織の2極性について(PM理論/組織論の概要)
(2)P機能の強化策(管理能力の強化/販売強化策)
(3)M機能の強化策(人間関係論/集団性について)
 
《留意点》
・このようなチェックをする場合は決して評価のため、つまり良い悪いの為に使わないということです。「誰が問題だ」「〜が悪い」でなく、現状は「〜〜のようだ」と認識する為に使い、職場風土の改善の為に何をする必要があるかを明確にすることです。
「人を責めるな! 会社を責めるな! 社会を責めるな!
今ここにある問題を攻めよ!!」
(現状を素直に認識し、今ここで何をどのようにするかが重要である)

 


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PM機能チェック・リスト

 各質問について自分の職場はどんな傾向だろうか0点〜5点の点数選び、次のページの集計表でPM機能素点合計を出し、PM風土の状況を参考にしてください。
 結果の活用の仕方については、結果から対策を考えるのでなく、その状況になった要因を探し、それについての対策を考える必要があります。(必要がありましたら、ご連絡ください)
(この調査票は被験者の考え方やその人を評価するものではありません)
[職場風土調査質問表]
業務進捗状況のチェックや報告はなされている  0  1  2  3  4  5
業務の指示は具体的にされる  0  1  2  3  4  5
問題が起こるとみんなで協力する  0  1  2  3  4  5
業務規定ははっきりされ守られている  0  1  2  3  4  5
問題が起こるとその原因をはっきりさせる  0  1  2  3  4  5
職場で業務以外のことでも気楽に話をする  0  1  2  3  4  5
忙しい時は気楽に仕事を頼まれたり頼んだりする  0  1  2  3  4  5
管理者以外の人に影響されやすい  0  1  2  3  4  5
職場では個人的なことも配慮される  0  1  2  3  4  5
10 仕事は仕事として割り切っている人が多い気がする  1  2  3  4  5
11 決定したことは実行にうつされる  1  2  3  4  5
12 お互い相手の立場や相手の考えを尊重している  1  2  3  4  5
13 各階層(課長、部長など)は明確に区分されている  1  2  3  4  5
14 分からないことはみんなで協力する  1  2  3  4  5
15 責任は追及される  1  2  3  4  5
16 意見の違いがあると和解するように努力する  1  2  3  4  5
17 目標や計画の内容は明確に知らされる  1  2  3  4  5
18 創業記念、忘年会などは楽しみ、盛り上がる  1  2  3  4  5
19 意見の一致を大事にする  1  2  3  4  5
20 業務改善はおこなわれている  1  2  3  4  5

 


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PM機能の集計 (P機能&M機能のポイントを求める)

《集計表T》P機能及びM機能の合計を求める。
※各質問の点数を下記の表に書き入れ、P機能及びM機能の点数を合計する。
点数を書き入れる場合、8項目10項目の点数は逆の評価点数にして書き入れる。
5142332415と書き入れて下さい。
《職場風土調査 集計表1》

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

 
           
           

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

      合計      
          P機能=
          M機能=

 

 


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PMグラフの位置決め(2次元表でのPMの位置を求める)

P機能及びM機能を下記の表にプロットする。

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職場風土調査表からの考察

課題集団(組織)の持つ2つの機能(働き)について
P機能(Performance)目標達成機能/M機能(Maintenance)集団維持機能
 組織の機能は2つの側面から成り立っている。その2つの機能を充分に働くような環境設定をすることが組織管理であるといっても過言ではない。
P機能:目標を達成する働きを言う。
   
   例えば、産業界では生産性や利益を上げる働きであり、学校では教育成果を
     上げる働きのことを言う。
M機能:集団の分裂を避ける働きをいう。
      人間関係をよくする働きであったり、対立を和らげる働きになったり、お互いの
     仲間意識をつくりあげる働きを言う。
[下記のようにこの2つの機能により4つの組織風土が分類される。]

Pm風土
(業績中心で固い組織)
 

[リーダーとメンバーの関係]
 
・決定者とそれの実行者
 
・部下のリーダーへの依存度が高まる

[コミュニケーションの構造]
 
・上から下への一方通行(指示、命令)
 
・1対1のコミュニケーションが多くなる

[決定について]
 
・唯一の決定、他の意見を排除する

 一つの目標(方向)に向うには効率がいい側面を持つ。但し、マーケットや環境変化がない場合に限る(柔軟性に欠ける)

PM風土
(効果性の高い組織)

[リーダーとメンバーの関係]
 
・協働関係であり、役割機能的
 
・相互の自由度は高い

[コミュニケーションの構造]
 
・上下左右ともに情報が流れる」
 
・議論のできるコミュニケーション

[決定について]
 
・決定のプロセスが共有、代替案あり。

自由闊達な組織風土であり、我々意識も高く組織のモラール及び個人のモチベーション共に高い。(目指す風土であろう)

pm風土
(表面的で弱い組織)
   

[リーダーとメンバーの関係]
 
・互いに関心がなく表面的な関係
 
・利害の対立する関係が強調される  

[コミュニケーションの構造]
 
・本音を言わず、がなりたてるだけ
 
・部下の提案を不平不満とみなす

[決定について]
 
・具体的でなく教訓的になる

 各メンバーは自分のやることや自分の興味のみで周囲に関心を払わない。従って、組織はマンネリ化し活力がない。

pM風土
人間性中心の甘い組織)

[リーダーとメンバーの関係]
 
・相手を困らせないやさしい関係
 
・集団責任を取る。(みんな一緒の関係)

[コミュニケーションの構造]
 
・明確さより曖昧なコミュニケーション
 
・否定的な情報を排除する

[決定について
 
・頑張ろう、努力しよう的なものが多い

 明るくて前向きで人にやさしく個人を尊重する風土を持つ。責任所在を曖昧にする。この組織風土は保守的で変化を好まない。


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PM理論と職場活性化

 職場風土は意識とか思いではなく、現場でやっていることが風土(プロセス)として観察されている。従って、働きやすい効率のいい職場風土をつくるには意識変革ではなく、現場のやり方や業務システムの改善を実行することである。それにより組織各人の意識が変化始める。また、現状変革は、それがいいことであれ、組織内部から抵抗が起こってくるものが普通である。(ウィーンの場の理論
[具体的に手を打つ場合は2つの組織機能を別々に考える]
P機能の向上
 目標達成機能の向上には目標達成を進めていくにはスキルが必要である。目標に対しての具体的な計画と行動へのブレイクダウン。特に「目標管理の能力」が管理者に問われる。このP機能は主に管理者によるところが大である。
その強化策は現状業務の見直しであり、以下のことが問われる。
  ・目標とそれの行動計画(何をどうするか明確に!)
  ・支持、命令の具体化(特に、現場を任す場合は何をどこまで任すかをはっきりさせる)
  ・結果のフィードバック・システムの構築と実行
  ・問題解決、役割・責任の明確化など。

 職場改善などで、「やる気がない」とか「問題意識が弱い」というような原因にしないことである。それらは現場改善がうまくいかない原因ではない。「やる気がない」「問題意識をもたない」という状況に陥っていると考えるべきである。そのような状況をつくり出している業務などの問題を発見することである。
M機能の向上
 会社など組織は課題(目標)が中心になるので、どうしてもM機能はP機能を効率化する補助的役割機能とする傾向があるが、P機能の強化策と同時に独立変数として見直したいものである。やはり、現場での行動様式を扱いたい(意識変革でなく)。特に重要なことはみんなが参画できるT(時間).P(場).O(状況、場面)を作ることである。ここではコミュニケーションが重要であり、相互によく知り合うという関係が大切になる。キーワードは思い、感情、受容、共感などである。また、会社(組織)の社会での存在意義(理念)もM機能向上に大きな影響をもつ。
まとめ]
 風土は会社にとって無言、不文律の規範となり、風土と異なる価値観を持った人でも組織の中ではその風土に合致した行動を取り始める。それは集団のパワーである。つまり職場風土の改善は職場の強い体質をつくり、目標を効率よく達成することになる。組織風土の向上は一朝一夕でなるものでなく、毎日の行動から起こってくるものである。
 組織風土は一度良くなると、それが維持されるかというとそうではない。組織風土は組織の内部環境(人事配置、組織変更、など)や外部環境(マーケット変化、社会情勢など)の変化でいつもゆれている。従って、職場風土向上は終わりのない管理者の仕事である。

1) 組織風土はほっとくとマンネリ化し、悪くなっていく傾向がある。。(偶然によくなることもある)
2) 望ましい組織風土は出来上がるものでなく、創っていくものである。
3)組織風土の責任は管理者・経営者にあり、メンバーはその協力者である。