ロジャースの「カウンセリング」とは? |
(来談者中心カウンセリング) |
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混乱するカウンセリングの理解
本来,カウンセリングはロジャース(創始者)の来談者中心カウンセリングを指していました。しかし、その後いろいろな心理療法の活用また来談者中心カウンセリングと他の心理療法を混ぜた折衷主義と呼ばれる方法も使われるようになり、同じカウンセリングというコトバを使いながらさまざまな理論・方法が混在しているのが現状のようです。そして、カウンセリングというコトバが社会に広がるに従い相談全般をカウンセリングと表現するようになり、ますます「カウンセリングって何だろう?」と混乱する状況になっているようです。また、ロジャース自身も来談者中心に変化はないもののカウンセリング初期(1940年代)にはClient-centered therapyと呼ばれる方法を用い、後に(1960年代以降)Person-centered therapyと呼ばれる方法に変遷していきました。
更に、カウンセラー認定団体によってはClient-centered therapyを主とする指導を来談者中心カウンセリングとし、またある団体においてはPerson-centered therapyを主として指導しているようです。このようなことがカウンセリングの理解を苦しめているものと考えています。
ここでは「ロジャースの来談者中心カウンセリング」の基本的考え方に立ち戻り、来談者中心カウンセリングを原点から見返してみたいと考えています。
ロジャースの来談者中心カウンセリングの基本的な考え方
私たちが悩んだり、問題を感じたり、抑うつ的になるのは自分が思っている自分(自己概念= Idealized self)と今ここで行動しているまたは感じたりしている自分(経験している自己= Actual self)とのズレが引き起こすと考えロジャースはその一致を課題としました。つまり、カウンセラーが問題を解決したり癒したり悩みを取り去ったりするのでなく、自己一致することによりクライエントが自ら望ましい方向を発見し行動すると考えていたわけです。(非指示的心理療法“Non-Directive therapy”)つまり、ロジャースの来談者中心カウンセリングはクライエントの自己一致を助けることを目的とした心理療法と理解され、指導、アドバイス、ガイド、癒す、治療するということは指示的(Directive )であり、ロジャースのカウンセリングとは異なるものと考えられます。そして、ロジャースはそのカウンセリングにおいて重要なコトバとして3つのことを示しました。
それは「受容」「共感」「真実」でありカウンセラーとクライエントがカウンセリングの中でそれらを達成することにより、クライエントが安心して自ら自己一致を試みると考えたわけです。
(詳細についてはロジャースの「自己概念と成長」(論文からの抜粋)を参照してください)