カウンセリングQ&A

 カウンセリングをやっている中でよく聞かれる質問です。できる限り応えたいと思いますが、私見の場合もありますので、ご意見などありましたら「ゆんたくページ」へ投稿ください。よろしくお願いします。
カウンセリング・ルーム“ガイア” ・・・・ ゆんたく掲示板 ・・・・ メール


・カウンセリングって何? カウンセラーはどうしたらなれるの?
・どんなときに受けたらいいの? ・聴くことでどうなるの?
・何を話せばいいの? ・カウンセラーの選び方
・カウンセラーは何処にいるの? ・カウンセリング料金は?
・精神科の先生とカウンセラーは何が違うの? 薬を服用してのカウンセリング
私(野原)のカウンセリング・スタンス
 近年、カウンセリングという言葉が一般的に使われるようになり、その言葉の意味も多様なものを含むようになってきました。アカデミック的な立場では「カウンセリングはロジャースの理論による心理療法の一つ」と理解されていますが、巷では相談事もカウンセリングと呼んだり、時には学校での指導やガイドもカウンセリングと言ったりしているようです。更に、10数年前から癒しという言葉が盛んに使われるようになると「癒しのカウンセラー」という言葉も使われるようになってきました。そこで、私のカウンセリングのスタンスを述べたいと思います。

 一つには非指示的関係と指示的関係についてですが、カウンセリング(またはセラピー)においてカウンセラー(セラピスト)の指導が積極的であるか否かよって通常指示的療法(Directive therapy)と非指示的療法(Non-Directive therapy)とに分けられます。指示的方法では、相手の考え方や感じ方を治療者が正しいと思った方向に積極的に導いていくカウンセラー中心の関係です。これに反して、非指示的方法はクライエントが自分自身に気づき、現状を受け止め新しい方法を自ら発見し、自ら決断していくプロセスを助けるクライエント中心の関係です。精神分析療法にも指示的と非指示的との両面がありますが、治療という立場を取るとどうしても指示的な場面が必要になってくるもと考えられます。どのようなカウンセリングやセラピーも同様に非指示的と指示的な両面をもっているものと思いますが、この両面はセラピーの特徴というより、それを使う側のスタンスつまりカウンセラー(またはセラピスト)に寄るところが大きいのではないでしょうか。来談者中心カウンセリングをスタンスと言いながら指示的なカウンセリングをしている人は多いものです。私の場合は基本的に非指示的立場を大事にしたいと思いますが、時として指示的になる場合もあります、そのときはクライエントの存在を脅かさないことに最大の注意を傾けたいと思っています。

 もう一つ私が気をつけたいことは、ユング派が使っている「コンステレーション(布置)」です。カウンセラーがいくらクライエント中心のカウンセリングをしたとしてもカウンセリング場面ではすでにカウンセラーがクライエントの世界に踏み込んでいるものであり、カウンセラーの存在そのものが影響を与えています。来談者中心のカウンセリングと矛盾する部分を含んでいるのですが、それを承知しながらクライエントに私の存在(価値観、考え方など)の波風を立てないようなカウンセリングをしたいと願っています。 もしかしたらClient-centered therapyからにPerson-centered therapyに変遷した過程でロジャースも悩んでいたのかも知れません(勝手な想像ですが)。
<参考> 私のカウンセリングはロジャースの「Person-center」を大切にしながら、交流分析の再決断療法、ゲシュタルト・セラピー、イメージ療法、NLPなど折衷主義の立場です。

(1)カウンセリングって何ですか?  

 最近いろいろな場所でカウンセリングという言葉を聞くようになりなりましたが、普通「相談」という意味で使っていると思います。その意味では人生相談、恋愛問題、学校での進路相談、不登校の相談、抑うつ状態での相談、ケースワーカーとの生活相談なども広くカウンセリングと呼んでいいものだと思います。そして、その中に「心理療法としてのカウンセリング」も含まれています。本来はロジャースの来談者中心をカウンセリングと呼んでいたようですが、述べましたように現在相談全般を指してカウンセリングと呼ぶようになってきました。
 日常的に使っている「相談」は問題解決的な用件を含んでいるのが普通ですが、「ロジャースのカウンセリング」はそれらの目的(問題解決そのものでなく)、また方法においてもまったく異なり、専門的知識と技術が必要になります。
その情報を知りたい方は「ロジャースのカウンセリング」を開いてください。




(2)カウンセラーはどうしたらなれるのですか?   
 現在。免許または国認定のカウンセラー資格はありませんが、いろいろな団体の認定制度はあります。そして、ある団体のカウンセラー資格を取得したからといって公的カウンセラーというわけでもありません。ですからあなたがカウンセラーとして活動したいのなら今からでも始められます。しかし、心の問題について、またカウンセリング技術についてしっかり勉強することは大事だと思います。各団体のカウンセラー認定制度は学習できるシステムをもっていますので、その団体の認定をもらうことにより体系的に学習できることは有意義だと思います。
「カウンセラーの資格は?」




(3)カウンセリングはどんな時に受けたらいいのでしょうか。  
 普通は悩みや問題などでどうにもならない状況で受けにくるのですが、もっと気楽に活用してもいいものだと思います。私のところへ、一年に2回カウンセリングを受けに来る方がいます。特に何かが問題でなく、今の自分を語り自分を整理しにくるようです。本人曰く「心の健康診断」と言っています。カウンセリングを受けるのを迷わずに、思ったら先ずは一度受けたらいかがでしょうか。その後から継続するかどうか決めてもいいことだと思います。
<今までの事例>
・不登校の問題 ・抑うつ的状態 ・夫婦の問題
・摂食障害 ・自殺未遂(失恋) ・人間関係の不和
・幻聴・幻覚状態 ・何となく?? ・選択の迷い
・PTSD(外障後ストレス障害) ・ストレス状態 ・自己確認
etc.





(4)カウンセリングは聴くだけというのですが、聴くことによってどうなるのですか? 
 カウンセリングについてはいろいろな考え方がありますが、「聴くことが重要」ということはロジャース(C.R.Rojyas)の考え方ですので、ロジャースの理論をある程度理解するとその意味がよくわかると思います。
それについては「ロジャースのカウンセリング」を参照してください。
 私たちが悩んだり問題で苦しんだりするのは、自分が思っている自分(認知している自己)と今ここでの自分(経験している自己)が一致していないからだという考え方があります。カウンセリングはカウンセラーがクライエントの自己一致を助ける為に「受容」「共感」「真実」という関係を創りあげることが重要だと言い、その方法として聴くという技法を体系化したわけです。カウンセリング大家の河合隼雄先生が講演会でよく「聴くことが大事ですよ」と言われ、その後「単に聞くということではありませんが」といいながら詳しいお話は聞けませんが、ロジャースの積極的傾聴法(Active Listening)を参照するととてもよく分かります。必要でしたらメールでお送りすることができます、ご連絡ください。(野原メール)





(5)カウンセリングを受けるときに何を話せばいいのですか  
 カウンセリングに来て「何から話したらいいのか?分からないのですが」という方が結構多いものです。何がどうしたのか、何がどうなっているのか分からないから迷っていたり悩んだりしているのですからまとめて話せないのは当然です。ですからカウンセラーが必要なのだと思います。カウンセリングをうける場合、何をどういう風に話したらいいのかなど考えずにカウンセリングを受けて結構です。話せないところから糸口を見つけていくのがカウンセラーです。





(6)いいカウンセラーの見分け方を教えてください。        
 私のところに40代男性で相談にこられた方がいました。その方は今まで3名のカウンセラーを渡り歩いてきました。その方々は実力のあるカウンセラーの方々でしたが、ご本人が不満に思い通うのを止めたようです。そして、カウンセリングってほんとに効果があるのかも疑っている様子です。しかし、それでもなおご本人は必要としているのだと思います。(来るのですから)。初回は相談に来た方が何を期待したいのか、そして私に何ができるかを話し合いましたが相手の期待に応えられそうにもなかったのでお断りしたことがあります(その後、始めることになりました)、また、あるカウンセリングの勉強会でのケーススタディーで、とても下手なカウンセリングのケースがありました。ケース報告を聞きながら「もっと勉強すればいいのに!」なんて思っていました。しかし、ケース報告が進むにつれてクライエント(生徒さん)が確実に元気になっていることが分かってきました。このような体験から、いいカウンセラーというより自分と相性のいいことが大事なのかも知れません。、またはご自分が安心できるカウンセラーが一番ではないでしょうか? 確かの腕のあるカウンセラーはいますが、お会いしての主観的な感じで決められた方がいいと思います。一般的ですが、知り合いの方からの話しで参考にできることがあればと思います。書きながら、私は?と考えています。





(7)カウンセラーってどこにいるのですか?              
 一般的には精神科またはそのクリニックのカウンセラー、また教育関係の領域でのカウンセラーなどがいますが、一般に受けられるカウンセラーは以外に少ないのかも知れません。
知り合いのカウンセラーと相談して、一般が受けられるカウンセラーのリスト作成をしようと計画しています。できましたらお渡しできると思います。





(8)カウンセリング料金は?                         
 一般的な料金というのが分かりません。病院でのカウンセリングは診療報酬に入ているのでしょう。また福祉施設などではボランティアでカウンセリングをしています。東京では1回\10,000くらいだそうです。私の場合は1回(1時間半)で\5,000です。????





(9)精神科の先生とカウンセラーは何が違うのですか?      
 カウンセリングではその人の情動反応をその人としてみて、どこに行こうとしているかを大切(来談者中心カウンセリング)にします。精神科(「現代医学全般)ではその情動反応を病気として捉え治療する立場にあります。また、また、治療という意味においては精神分析もそのアプローチをしますが、精神科のアプローチとも異なります。従って、カウンセラーまたはセラピストと精神科医の学習領域はまったく異なり、そのテクニックも異なります。以上は一般的なことです。一度対比して表にまとめてみたいと思います。





(10)精神科で薬を使っていますが、カウンセリングを受けることはできますか?
 いろいろなカウンセリング体験の中で未だに難しいのは精神科またはクリニックで薬を使っている方のカウンセリングです。薬を使っているとその副作用で頭がボーとしたり、自分で考えたり、今何を感じているかということが不明になったり、話しながら記憶が途切れたりこれらは明らかに薬の作用なのでカウンセリングは大変に難しくなります。今まで、抑うつ的症状を持ちながら、薬を使わずカウンセリングとして付き合った経験がありますが本人は大変な苦しみですが、カウンセリングまたは心理療法はしっかいりできるのです。このようなことを考えると、精神科の先生はその一線をどこで判断しているのだろうか。これからの私の勉強と経験からはっきりしてくるかと思いますが、薬を使っていなければと悔しい思いをすることもしばしばです。しかし、それも私の思いであり、本人にしては大変なことだろうと思うと何も言えなくなってしまいます。
 千葉県である方が抗精神薬は絶対に使うべきではないと、療養所をつくり取り組んでいる方がいます。私もそこを訪問し、私のところで相談していた方を入所してもらったことがあります。やはり大変です。多分、抗精神薬を使わないで関わり合うことはすごく大事なことなのでしょうが、大変です。でも・・・と薬に対してはいつも矛盾を感じるものです。
相談にきてくれる方が薬を使っている場合はできる限り、ドクターと協力しながら進めて行きたいと思っています。幸いに理解できるドクターもいますので。(-_-) 
 一度、相談してみてください。

 (カウンセラーは薬を使えない立場にいることが幸せなのかも知れません。薬を使える精神科医には別な苦しみがあるかも知れません、そんな気がします)